次世代車両診断プラットフォーム
(Diagnostics 4.0)
診断4.0とは、従来のECU単体診断を超え、開発・製造・アフターサービス・リモート診断・OTAなど、車両のライフサイクル全体にわたって診断情報を統合・活用する次世代の診断アーキテクチャです。ODXやOTXといった標準化されたデータ形式を活用し、クラウドやリモート接続に対応することで、自動化・効率化・可視化を実現し、より高度で柔軟な車両診断を可能にします。
WINDHILL(中国)は、診断4.0の理念に基づき、ODX/OTXを活用した標準化・自動化・クラウド対応の車両診断ソリューションを提供しています。VisualODXによる診断データの一元管理や、Q-TesterによるDoIP・リモート診断・ECUフラッシュなどの機能を通じて、開発から製造、サービス、クラウドに至るまで、車両診断のライフサイクル全体をカバーする次世代診断基盤を構築しています。

製品の特徴
■ 診断データの標準化・一元管理
ODX(診断仕様)やOTX(診断シーケンス)により、開発・製造・サービスの各フェーズで使用される診断情報を標準フォーマットで統一管理できます。従来は部門ごとに異なるExcelやツールで診断データを管理していたため、情報の齟齬や更新漏れが多発していました。本プラットフォームでは、ODXを使うことで「1つの診断ソース」を多用途に展開可能となり、設計と現場のデータ連携がスムーズになります。これにより、再利用性・保守性・トレーサビリティが大幅に向上します。
■ 診断フローの自動化・効率化
OTXを用いて診断操作を自動化することで、ヒューマンエラーを減らし、作業の時間とコストを削減。従来は整備士や検査担当者が画面を見ながら手動で診断を実行していました。OTXを活用することで、故障コードの取得→ログ保存→判定→結果送信といった一連の処理をスクリプト化し、ボタン1つで完結させることができます。特に製造ラインや量産検査では、工数削減と安定化に大きく寄与します。
■ リモート診断・クラウド連携への対応
車両に物理的に接続することなく、インターネット経由で診断や再プログラミングを実行可能。地理的制約を克服。DoIPや5G、MQTTなどの通信技術と組み合わせることで、車両を遠隔で診断・制御できます。これにより、遠隔地のディーラーサポートや、実車試験中のデータ取得、運用車両の保守支援など、従来不可能だったユースケースに対応できます。また、FOTAと組み合わせれば、ソフト更新後に自動診断チェックを実行する運用も可能です。
■ ライフサイクル全体の診断統合
開発〜検証〜製造〜サービス〜運用という全プロセスで診断情報を共通活用できます。従来は各工程で個別の診断ツールや仕様が使われ、結果の再利用が困難でした。本プラットフォームでは、最初に定義したODX/OTXデータがそのままHIL試験、製造検査、アフターサービスでも使用可能なため、エンジニアの負担軽減や教育工数の削減につながります。さらに、実車フィードバックを設計に反映しやすくなり、品質改善のループが加速します。
■ 診断ログ・ビッグデータの活用
車両から得られる診断データを収集・可視化・分析することで、故障予測やサービス効率化が可能。本プラットフォームでは、クラウド上に蓄積されたDTC(故障コード)や診断ログをもとに、特定車両の異常傾向や部品寿命の予測を行えます。これにより、「壊れてから修理」ではなく「壊れる前に知らせる」予防保全型のサービスが実現できます。また、フリート全体の統計分析により、車両設計やサービス体制の改善にも寄与します。
商品情報

VisualODX
Excel形式で記載された複数ECUの診断仕様を、ODX/PDX/CDD/DEXT/ATXML形式に自動変換するツールです。

Q-Studio
ISO 13209に準拠したOTX関数やパラメータをモジュール化し、視覚的に編集できるOTX開発環境です。

Q-Test.Expert
ODXベースの診断テスターです。あらゆる診断作業に対応し、使いやすく直感的な操作性を備えているため、幅広い業務において効率的な診断を実現します。