OTX診断シーケンス開発環境

OTXは、自動車業界で広く採用されているテストシーケンスの標準規格であり、ASAMによって策定されたASAM OTXに準拠しています。ECU診断手順の自動化をはじめ、エンドオブライン(EOL)試験、故障診断支援、フラッシュ書き込み制御など幅広い場面で活用されており、標準化された手順と運用により、再現性・保守性・作業効率の向上を実現します。

Q-Studioは、ISO 13209に準拠したOTX関数やパラメータをモジュール化し、視覚的に編集できるOTX開発環境です。関数やサービス、パラメータをドラッグ&ドロップするだけでスクリプトを作成でき、シーケンス編集の手間を大幅に削減します。従来のJavaやC++などで作成された診断テストシーケンスは、仕様・形式・実装・実行方法が統一されておらず、部門間でのスムーズな共有が困難であり、業務効率や管理性にも課題がありました。Q-Studioでは、OTX形式によるシーケンス作成により、スピードと複雑さが同時に求められる開発現場にも柔軟に対応できます。

Q-Studioは、新たに開発されたソフトウェア基盤により、シンプルで直感的な操作性と高速な実行性能を両立した、理想的なOTX開発環境です。効率的かつ快適なワークフローを実現し、開発業務の生産性を大幅に向上させます。

シーケンスビューアー

Q-Studioは、ユーザーの操作性を重視し、フローツリー表示とフローチャート表示の2種類のビューを搭載しています。ユーザーの利用スタイルや作業内容に応じて、自由に切り替えが可能です。

ODX導入機能

ODX 2.2.0形式の診断データに対応しており、ODXファイルをインポートすることで、すべてのサービスがODXデータビュー上に一覧表示されます。ユーザーは、必要なサービスをドラッグ&ドロップするだけで、ODXベースの診断シーケンスを直感的に構築することが可能です。。

OTXライブラリ

Q-Studioは、OTX標準に準拠した関数ライブラリを定義しており、OTX構文の検証やデータ型の互換性チェックに対応しています。さらに、プロジェクトの要件に応じて、特殊機能向けの関数をカスタマイズ開発することも可能で、
高い柔軟性と拡張性を備えています。

GUI開発機能

Q-Studioは、GUI編集ツールを標準搭載しており、ユーザーインターフェースを自由に設計し、任意のOTXスクリプトと連携させることが可能です。開発者は複雑な対話型UIを直感的に構築でき、ガイダンス付き診断機能を提供できます。

デバッグ機能

Q-Studioは、ブレークポイントの設定をはじめとする充実したデバッグ機能を備えており、作成したシーケンスの構文ミスを事前に検出し、正確な動作を確保します。

シミュレーション機能

Q-Studioは、バーチャルビークル(仮想車両)技術を搭載しており、あらかじめ診断サービスのリクエストおよびレスポンスを定義するだけで、OTXシーケンスの動作をシミュレーションできます。実車を使用せずに検証を行えるため、開発初期段階でのテスト効率を大幅に向上させます。